うっ血性心不全のチェーン・ストークス呼吸に対する持続気道陽圧の効果
〒513-8501 鈴鹿市加佐登3-2-1 国立療養所鈴鹿病院内科
うっ血性心不全の男性患者6例(心エコー上左室駆出率<30%)を対象に,3カ月間の持続気道陽圧の効果を検討した.全例にチェーン・ストークス呼吸(中枢型の無呼吸4例,低呼吸2例)が認められた.5cmH2Oの持続気道陽圧による治療後,無呼吸・低呼吸指数は34.7±21.4から6.0±7.0に減少,徐波睡眠の割合は4.1±1.5%から16.5±8.3%に増加,心エコー上の左室駆出率は24.4±2.3%から34.3±3.3%に増加した(p<0.05).持続気道陽圧は,うっ血性心不全患者のチェーン・ストークス呼吸,睡眠の質および心機能を改善し,その非薬物治療として有用と思われた.
チェーン・ストークス呼吸 うっ血性心不全 持続気道陽圧 睡眠時無呼吸症候群 睡眠時呼吸障害
Received 平成13年10月26日
日呼吸会誌, 40(10): 801-805, 2002