肺好酸球性肉芽腫症の臨床経過―CT画像を中心として―
岸 一馬1) 本間 栄1) 黒崎 敦子2) 川畑 雅照1) 坪井 永保1) 成井 浩司1) 中谷 龍王1) 元井 紀子3) 中田 紘一郎1)
〒105-8470 東京都港区虎ノ門2-2-2 1)虎の門病院呼吸器科 2)同 放射線診断科 3)同 病理部
好酸球性肉芽腫症(EG)の臨床経過について胸部CT所見の経時的変化を中心に検討した.過去12年間に当院に入院したEGの5例を対象とし,臨床像,胸部CT所見,病理組織所見,治療を検討した.CTは4例が8カ月以上の間隔で繰り返し撮影された.全例男性の喫煙者で,平均年齢は33歳であった.初回CTでは,結節性病変と薄壁嚢胞が多かったが,最終CTでは結節性病変は少なくなり,薄壁嚢胞あるいは気腫性病変が目立つようになった.CT上の結節性病変は病理組織学的にはLangerhans細胞,好酸球などの細胞成分に富んだ肉芽腫に対応し,薄壁嚢胞においても線維性の嚢胞壁に肉芽腫が認められた.全例に禁煙を指導し,3例は禁煙後に画像所見が改善した.
Received 平成14年3月12日
日呼吸会誌, 40(11): 856-862, 2002