コイル塞栓術を行った多発性肺動静脈瘻の1例
高橋 賢1) 福岡 和也1) 古西 満1) 竹中 英昭1) 坂本 正洋1) 岡本 行功1) 吉川 雅則1) 西本 優子2) 吉川 公彦2) 今井 照彦1) 米田 尚弘1) 成田 亘啓3) 木村 弘1)
〒634-8522 奈良県橿原市四条町840 1)奈良県立医科大学第2内科 2)同 放射線科 3)奈良厚生会病院
症例は21歳女性.検診で胸部異常陰影を指摘され,精査の結果多発性肺動静脈瘻と診断した.肺動静脈瘻は肺換気・血流シンチ,肺動静脈造影で確定診断するが,本症例では3次元CTで肺動・静脈と腫瘤との位置関係を非侵襲的に確認することができ診断に有用であると考えられた.またコイル塞栓術を行い,速やかに腫瘤の縮小とシャント率の改善とを認めた.肺動静脈瘻は喀血,血胸,脳膿瘍などの重篤な合併症を起こすことがあるので,常に治療を考慮すべき疾患である.
Received 平成13年12月28日
日呼吸会誌, 40(11): 900-904, 2002