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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症 例

両側に気胸を反復し,NSIP Group 2と考えられた上葉優位な間質性肺炎の一例

鴨井 博  岡本 隆司  吉村 成央  白石 訓  浅井 一久  金澤 博  工藤 新三  平田 一人  吉川 純一 

〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1丁目4番3号 大阪市立大学第1内科

要旨

症例は55歳の男性.胸部異常陰影を指摘されるも放置していたが,次第に労作時呼吸困難感が出現したため精査目的にて入院となった.胸部レントゲン写真では両側性に上葉の胸膜近傍に優位な間質性陰影の増強と容積減少を認めた.胸腔鏡下肺生検を行ったところ,NSIP group 2であった.また両側気胸を反復し,経過観察では改善せず,ドレナージを要した.画像上確実な進行を認めたためステロイドによる治療を行ったところ,自覚症状,動脈血液ガス,KL-6,画像所見の改善を認めた.本症例は膠原病の肺病変先行型の可能性はあるが,現状では明らかな所見は認めていない.幾つかの点において網谷らの提唱している上葉限局型肺線維症の特長に合致するが,既存の分類に適合しない症例である可能性も考えられる興味ある一例を経験したので報告する.

キーワード

特発性間質性肺炎  特発性上葉限局型肺線維症  胸腔鏡下肺生検  非特異型間質性肺炎  糖質コルチコイド 

Received 平成13年12月28日

日呼吸会誌, 40(12): 936-940, 2002

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