Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease(RB-ILD)3例の検討:特にHRCT所見と病理所見の対比について
中西 正教1) 岡村 誠太郎1) 出村 芳樹2) 石崎 武志3) 宮森 勇2) 伊藤 春海4) 北市 正則5)
〒914-0144 福井県敦賀市桜ヶ丘33-1 1)国立療養所敦賀病院内科 2)福井医科大学第3内科 3)同 看護学科 4)同 放射線科 5)京都大学医学部附属病院病理部
RB-ILDは喫煙者に発生する臨床病理学的な一つの疾患概念と考えられている.今回,外科的肺生検で病理学的に診断したRB-ILDの3例を報告する.全例に継続する咳,1例に痰,1例に労作時呼吸困難が認められた.全例に拡散能障害が認められた.胸部X線写真では全例異常は認められなかった.HRCT所見では全例にスリガラス影と小葉中心性粒状影が認められ,1例に肺気腫,2例に二次小葉内の微細な線状網状影,1例に牽引性細気管支拡張所見,2例に胸膜下の微小のう胞が認められた.肺生検所見では全例に小葉中心部の線維化病変,気腔内のマクロファージの集積,膜性細気管支への粘液とマクロファージの充満が認められた.1例に小葉中心性の肺気腫が,1例に部分的に胸膜下の顕微鏡的蜂巣肺が認められた.RB-ILDは喫煙者に発生する間質性肺疾患として常に念頭に置くべき疾患と考えられた.
Respiratory bronchiolitis-associated Interstitial lung disease(RB-ILD) 喫煙者 高分解能CT(HRCT) 胸腔鏡下肺生検
Received 平成14年4月11日
日呼吸会誌, 41(1): 3-9, 2003