仮想気管支鏡検査による極細径気管支鏡ナビゲーションを利用したバリウムマーキング
浅野 文祐1) 松野 祥彦2) 井深 貴士1) 大屋 英樹1)
sup>1)国民健康保険関ヶ原病院内科 〒503-1514 岐阜県不破郡関ヶ原町2490-29 2)県立岐阜病院呼吸器内科
症例は77歳女性.CT検診で右下葉に9×7mmのすりガラス様陰影を指摘された.胸腔鏡下手術時に病変の位置がわかるように,仮想気管支鏡検査によるナビゲーション下で極細径気管支鏡を使用し,術前バリウムマーキングを行った.方法は,まずThin section CTから仮想気管支鏡検査を行い,マーキング予定部位までの仮想気管支鏡画像を作成した.次に右B8aiiβx,B6biiβまで作成できた仮想気管支鏡画像をナビゲーターとして利用し,極細径気管支鏡を直視下に同部位まで誘導した.引き続き専用のカテーテルを病変近傍に誘導し2箇所にバリウムを注入した.マーキングしたバリウムは,胸腔鏡下手術時のX線透視で良く観察でき,切除範囲の決定に有用であった.診断結果は異型腺腫様過形成であった.本方法は合併症もなく,複数の目標部位へ容易に短時間でマーキングが可能で,肺末梢微小病変に対する胸腔鏡下手術の術前マーキングとして有用である.
仮想気管支鏡検査 極細径気管支鏡検査 バリウムマーキング 胸腔鏡下手術 肺末梢微小病変
Received 平成14年10月28日
日呼吸会誌, 41(1): 54-58, 2003