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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

画像診断

肺病変を伴ったmulticentric Castleman's diseaseの1例

森瀬 昌宏1)  下元 博史1)  本多 豊大1)  森 良雄2) 

〒504-0816 岐阜県各務原市蘇原東島町4-6-2 1)東海中央病院内科 2)同 病理

要旨

症例は34歳男性.平成13年11月中旬より咳嗽が出現し,胸部X線写真で両側びまん性間質性陰影が認められた.胸部CT検査では両肺野に小葉中心性のびまん性小粒状影と多発性の縦隔リンパ節腫脹を認めた.血液検査では,CRP値の上昇および赤沈の亢進,多クローン性高γグロブリン血症,IL-6値の上昇を認めた.multicentric Castleman's disease(MCD)を疑い胸腔鏡下縦隔リンパ節生検と肺生検を施行した.縦隔リンパ節はリンパ濾胞の増生と濾胞間の著明な形質細胞の増殖を認め,Castleman病のPlasma cell type(PC type)に合致する病理組織像と考えられた.肺生検では肺間質にびまん性の形質細胞の浸潤が見られリンパ節と同質の病変が認められた.以上の所見より本症例は間質性の肺病変を伴ったmulticentric Castleman's disease(MCD)と診断した.本症例は胸部CT検査でMCDの肺病変に特徴的な画像所見を認めたため,文献的考察を加えて報告した.

キーワード

多中心型Castleman病  インターロイキン-6  リンパ球性間質性肺炎 

Received 平成14年4月9日

日呼吸会誌, 41(1): 59-65, 2003

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