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書誌情報

総説:気管支喘息の病態解明とその治療応用

気管支喘息における化学伝達物質研究の動向とその治療への応用

福田 健 

獨協医科大学 呼吸器・アレルギー内科

要旨

炎症細胞から遊離される化学伝達物質は喘息病態で重要な役割を演じるとの認識から喘息治療薬開発の標的となり,その産生,遊離,作用を阻害する薬剤が続々と登場してきた.しかし,これまでのところ,効果が迅速で高い有効率を示すのはロイコトリエン拮抗薬のみである.喘息治療ガイドラインでは吸入ステロイド薬の代用薬ないし併用薬としての位置を獲得しているが,抗リモデリング作用を有することが明らかになりつつあるので早期治療薬としても有望である可能性がある.PGD2はTh2型気道炎症の発現において重要な役割を担うことも分かってきたので,新しい抗喘息薬となるかも知れない.化学伝達物質の病態における重要性,化学伝達物質標的薬剤の有効性は,今後益々,その物質の産生,分解に関わる酵素の遺伝子異常との関連で研究されていくであろう.

キーワード

気管支喘息  化学伝達物質  ロイコトリエン  ロイコトリエン拮抗薬  プロスタグランディンD2 

日呼吸会誌, 41(9): 595-599, 2003

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