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書誌情報

総説:気管支喘息の病態解明とその治療応用

気管支喘息の病態解明とその治療への応用

岩本 逸夫 

千葉大学医学部第二内科

要旨

気管支喘息の病態であるアレルギー性気道炎症の惹起にはTh2細胞の選択的活性化が深く関与している.Th2細胞からIL-4, IL-5, IL-13が産生され,IL-4はTh2細胞の分化増殖に必須であり,IL-5は好酸球の分化,成熟及び活性化,それによる気道好酸球性炎症を惹起し,IL-13は気道上皮の粘液細胞増生,内皮細胞のVCAM-1発現によるT細胞,好酸球の気道への動員に関与することにより喘息病態を形成する.一方Th1細胞はIFN-γを産生し,Th2細胞の分化及びサイトカイン産生を抑制することによりアレルギー性気道炎症を制御する.このTh2細胞分化にはIL-4による転写因子Stat6の活性化とそれに引き続くGATA-3の発現が重要であり,Th1細胞分化にはIL-12によるStat4の活性化とT-betの発現が関与している.さらに制御性T(Tr)細胞はTh細胞の活性化を抑制することによりアレルギー性気道炎症の発症を制御している.

キーワード

アレルギー性気道炎症  気管支喘息  Th2細胞  転写因子  制御性T細胞 

日呼吸会誌, 41(9): 600-605, 2003

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