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書誌情報

総説:気管支喘息の病態解明とその治療応用

気道リモデリングの病態の理解とその治療への応用

相沢 久道 

久留米大学医学部第一内科

要旨

気管支喘息は,気道炎症,気道過敏性,可逆的な気道狭窄で定義される疾患である.気道過敏性は最も重要な因子であり,臨床的な重症度や治療内容と相関しているが,この過敏性は気道炎症によって生ずることが明らかにされている.喘息患者では非特異的な刺激が気道過敏性のある気道に作用し,可逆的な気道狭窄を引き起こす.しかしながら,一部の喘息患者では,非可逆的な気道狭窄が進行し,喘息の難治化を引き起こす.これには種々の機序が関与しているが,中でも重要なものが気道のリモデリングである.喘息患者の気道には,上皮の杯細胞化生,基底膜下の網状層の肥厚,平滑筋の肥大などの気道のリモデリングの所見がみられる.これらの組織学的変化は気道壁の肥厚を来たし,その結果非可逆性の気道狭窄の進行と気道過敏性の亢進が起こる.ここでは,気道リモデリングの発症機序,病態生理的役割,予防,治療について概説する.

キーワード

気道炎症  気道過敏性  平滑筋  杯細胞  基底膜 

日呼吸会誌, 41(9): 611-619, 2003

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