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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症 例

心室中隔欠損症に合併した感染性心内膜炎により敗血症性肺塞栓症を起こした1例

谷口 浩和1)  藤坂 志帆1)  阿保 斉2)  宮沢 秀樹3)  能登 啓文3)  泉 三郎1) 

〒930-8550 富山県富山市西長江2-2-78 1)富山県立中央病院内科 2)同 放射線科 3)同 呼吸器外科

要旨

症例は18歳の女性で,生後3カ月に心室中隔欠損症を指摘されたが手術適応なく,経過観察中であった.平成14年12月31日より発熱が生じ持続したため,平成15年1月10日に当院を受診.胸部レントゲン及びCT所見より敗血症性肺塞栓症と診断し,入院とした.心臓超音波検査を行ったところ,三尖弁下組織に可動性のある径20 mmの疣贅が認められ,血液培養にてStaphylococcus aureusが検出された.以上の所見より,心室中隔欠損症に感染性心内膜炎を合併し,それにより敗血症性肺塞栓症を起こしたものと診断した.治療として,パニペネム・ベタミプロン(カルベニン®)の投与を続け,5週間の治療で血液培養の陰性化,CRPの陰性化および胸部レントゲン所見の改善を確認し,退院とした.以後,外来にて経口の抗生剤を投与しながら慎重に経過観察している.敗血症性肺塞栓症を認めた場合には,本症例のように右心系感染性心内膜炎から生じる可能性があることを診療上念頭においておく必要があるのではないかと考える.

キーワード

心室中隔欠損症  感染性心内膜炎  敗血症性肺塞栓症 

Received 平成15年2月27日

日呼吸会誌, 41(9): 666-670, 2003

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