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書誌情報

特集:COPD診療におけるGOLDの位置づけ

COPDの非薬物療法

塩谷 隆信1)  佐竹 將宏1)  高橋 仁美2)  本間 光信3) 

1)秋田大学医学部保健学科理学療法学専攻 2)市立秋田総合病院リハビリテーション科 3)市立秋田総合病院呼吸器科

要旨

GOLDのガイドラインは,2001年4月完成し,2003年7月には改訂版がインターネット上で発表された.GOLDのガイドラインにおいて非薬物療法としては,(1)リハビリテーション,(2)酸素療法,(3)換気サポート,(4)外科療法の4つが示されている.2003年GOLDのガイドラインでは,リハビリテーションにおいてACCP/AACVPRのガイドラインではB評価であった健康関連QOLの改善がエビデンスAに評価され,C評価であった生存率の改善がエビデンスBとさらに上位に評価された.酸素療法は,ステージIVの最重症COPD患者に対する重要な非薬物療法のひとつで,長期継続,運動時のみ,急性呼吸困難の緩和を目的とする.換気サポートについては,本法が安定期COPD管理の一端を担うことが確信できるエビデンスは得られていない.慢性の高CO2血症の患者には換気サポートを期待できる場合もあると思われるが,RCTはまだ行われていない.LVRSは,FEV1<35%予測値,PaCO2<45 mmHg,CTスキャン上の顕著な上葉肺気腫,予測値の200%を越える残気量を呈する患者が適応とされる.LVRSは運動能力とQOLを改善し,これらの効果は1年以上持続すると報告されている.FEV1<20%予測値およびHRCT上homogenous emphysemaあるいはDLCO<20%予測値の患者はLVRS後死亡する確率が高く,十分コントロールされた研究報告の結果がわかるまでは,LVRSの汎用は推奨されない.

キーワード

呼吸リハビリテーション  酸素療法  換気サポート  肺容量減少術  全米肺気腫治療試験(NETT) 

日呼吸会誌, 42(8): 717-723, 2004

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