肺の癌肉腫の1例と本邦報告例16例のまとめ
三戸 晶子1) 西野 亮平1) 秋田 慎1) 塩見 桂史1) 駄賀 晴子1) 大橋 信之1) 有田 健一1) 藤原 恵2)
〒730-8619 広島県広島市中区千田町1丁目9-6 1)広島赤十字・原爆病院呼吸器科 2)同 病理部
症例は呼吸困難,全身倦怠感を主訴とした69歳の男性.左肺S3に6×5 cmの腫瘍と左胸水を認め,その後腫瘍は著しい増大を見せた.初診から1.5カ月後に腫瘍死したが剖検で癌肉腫と確定診断した.本例を含めて,本邦での肺の癌肉腫報告例17例をまとめると,その平均年齢は68歳,すべて男性で重喫煙者が多かった.報告例の70%は報告時点ですでに死亡していたが,その生存期間中央値は5カ月であった.報告時に生存していた例は遠隔転移を伴わないT2症例で手術を施行できた症例であった.
Received 平成15年11月17日
日呼吸会誌, 42(8): 749-754, 2004