肺癌術後脳転移に対してGamma-knife stereotactic radiosurgeryを繰り返して長期生存が得られた1例
掛屋 弘1)3) 井上 祐一1) 澤井 豊光1) 生田 安司2) 大野 秀明3) 柳原 克紀3) 東山 康仁3) 宮崎 義継3) 早田 宏3) 田代 隆良3) 河野 茂3)
〒854-8501 諫早市永昌東町24番1号 1)健康保険諫早総合病院内科 2)同 外科 〒852-8501 長崎市坂本1-7-1 3)長崎大学大学院医歯薬総合研究科感染分子病態学講座
症例は58歳男性.1998年6月肺腺癌の診断にて右肺下葉切除術が施行された.その後もCEAが高値持続したために化学療法が追加され,一時CEAは正常化したが,1999年4月に再上昇がみられ,左後頭葉に脳転移が明らかとなり,第1回目のGamma knife sterotactic radiosurgery(GK-SRS)を施行した.その後1999年8月にもCEAの再上昇を契機に多発する脳転移が明らかとなり,2回目のGK-SRSを施行.さらに2000年2月にも左前頭葉および後頭葉に脳転移を認め,3回目のGK-SRSを施行した.以降,CEAは正常化したが,2001年2月に再上昇がみられ,再び右後頭葉に脳転移が明らかとなり,4回目のGK-SRSを施行した.その後CEAは正常範囲内にて推移し,現在まで再発もなく約4年間が経過している.脳転移に対して,繰り返しGK-SRSを施行し,長期生存が得られた.また本症例では脳転移の再発にCEAのモニタリングが重要な役割を果たした.
Received 平成17年3月11日
日呼吸会誌, 43(12): 736-740, 2005