Trichosporon抗体とHLA抗原を検索した夏型過敏性肺炎の家族内発症例
田中 徳子1) 峠岡 康幸1) 藤高 一慶2) 坂本 直子3)
〒735-8585 広島県安芸郡府中町青崎南2-15 1)マツダ株式会社マツダ病院呼吸器科・アレルギー科 2)テキサス大学MDアンダーソン癌センター胸部/頭頚部臨床腫瘍科 3)国立病院機構大竹病院呼吸器科
3人家族で全員Trichosporon cutaneumに対する抗体を有し,両親2人が夏型過敏性肺炎を発症した症例を経験した.症例は45歳女性と51歳の男性で男性がまず前年の9月末に発症し,間質性肺炎との診断でステロイド治療を受け寛解していたが,翌年7月ごろより前年と同じ症状を自覚していた.男性の妻は同年8月より感冒症状を自覚し当科を受診し,夏型過敏性肺炎と診断された,ついで夫も初めて同疾患と診断された.両親のTrichosporon mucoides,asahii抗体は陽性でその15歳の娘も発症はしていないが抗体は有意に高かった.HLA抗原は母親と娘の検索を行い,両者に発症に関係していると思われているHLA-DQ8,9(3)を保有していた.
夏型過敏性肺炎 HLA抗原 家族内発症 Trichosporon mucoides Trichosporon asahii
Received 平成17年3月18日
日呼吸会誌, 43(12): 741-745, 2005