多彩な症状を呈したサルコイドーシス(Löfgren症候群)の1男性例
〒143-0013 大田区大森南4-13-21 東京労災病院内科
症例は27歳男性.腰痛,両側足関節痛で発症し,約3カ月の経過で発熱,咳嗽,多発関節痛が出現・持続し,当院入院.入院時の胸部画像で,肺門・縱隔リンパ節腫大(BHL),ACE値上昇,TBLBにて乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した.眼科的検索では虹彩炎,網膜血管炎などの所見を認めた.入院後,結節性紅斑が出現し,以上より関節炎,結節性紅斑,BHLを3主徴とする急性型サルコイドーシス(レフグレン症候群)と診断した.欧米では女性で比較的よくみられる病型であるが,本邦での報告は6例と極めて稀である.今回報告する症例は本邦で初めての男性例である.レフグレン症候群の予後は良好であることが知られており,本例は関節痛,眼病変に対してステロイドを使用したが,治療開始1年後の現在まで再然はなく経過している.
Received 平成17年4月18日
日呼吸会誌, 43(12): 761-765, 2005