興味ある画像所見の変化を呈したウエステルマン肺吸虫症の1例
今津 善史 芦谷 淳一 今井 光一 柳 重久 佐野 ありさ 床島 眞紀 中里 雅光
〒889-1692 宮崎県宮崎郡清武町大字木原5200 宮崎大学医学部第3内科
患者は47歳男性.血痰のため近医を受診.胸部CTにて右中葉中枢側に腫瘤影を認めた.20日後の胸部CTにて右中葉の陰影は中葉末梢側に進展しさらに空洞を形成した.気管支内視鏡を用いた右B5の気管支擦過および洗浄細胞診にて虫卵を確認.経気管支肺生検では好酸球の浸潤と虫卵を認めた.また,寄生虫抗体検査にてウエステルマン肺吸虫が陽性であった.Praziquantelの内服にて陰影は消失したためウエステルマン肺吸虫症と診断した.ウエステルマン肺吸虫症で胸部CT上,陰影の経時的変化を追跡できた貴重な症例と考えられた.
Received 平成17年4月8日
日呼吸会誌, 43(12): 771-774, 2005