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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
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7日間のステロイド投与後に間質性陰影の消失をみた血管免疫芽球性T細胞リンパ腫

松宮 晴子1)  新井 愛子1)2)  永井 厚志2) 

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-3 1)東京都職員共済組合青山病院内科 〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1 2)東京女子医科大学第1内科

要旨

症例は56歳,女性.左頸部リンパ節腫脹の精査により甲状腺乳頭癌を発見され甲状腺左葉切除術を施行,この時は反応性リンパ節の病理診断であった.4カ月後に発熱,全身リンパ節腫脹をきたしたため精査加療目的に入院した.入院時胸部レントゲン写真にて縦隔・肺門リンパ節腫脹ならびに下肺野の間質性陰影を呈していた.可溶性インターロイキン-2受容体が7,700 U/mlと著増していたため悪性リンパ腫を疑い頸部リンパ節生検を施行,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL)と診断された.入院後も39℃の発熱が続き消耗が激しいためハイドロコルチゾンを1日量200 mg投与したところ,7日後にはリンパ節の縮小と間質性陰影の消失を認めた.本症例は肺生検を施行していないため断言はできないが,間質性陰影は血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の肺浸潤であった可能性が考えられた.

キーワード

悪性リンパ腫  血管免疫芽球性T細胞リンパ腫  間質性陰影 

Received 平成17年10月25日

日呼吸会誌, 44(7): 537-540, 2006

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