日本呼吸器学会誌：血中TNF αが高値を示したHeerfordt症候群の1例

Vol.44 No.9 目次

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症例

血中TNF αが高値を示したHeerfordt症候群の1例

石松　祐二^1）高谷　洋^1）道津　安正^1）迎　寛^2）河野　茂^2）

〒850-8555　長崎県長崎市新地町6-39 ^1）長崎市立市民病院内科 ^2）長崎大学第2内科

要旨

症例は27歳，男性．H14年7月にブドウ膜炎が出現．その後，右耳下腺腫脹，右顔面神経麻痺が出現したため当科入院にて全身検索したところ，両側肺門リンパ節腫脹，血中ACE及びリゾチーム上昇，経気管支肺生検で多核巨細胞を伴う非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認め，サルコイドーシスの亜型であるHeerfordt症候群と診断した．治療はステロイド剤投与したが，ステロイド剤を漸減すると高熱が出現し，長期にわたり高用量のステロイド剤が必要であった．さらに，本症例は発熱物質と知られている血中のTNF α（tumor necrosis factor α）が高値を示しており，興味深い1例と考えられたので報告する．

キーワード

サルコイドーシス Heerfordt症候群発熱腫瘍壊死因子α

Received 平成17年10月17日

日呼吸会誌, 44(9): 636-640, 2006

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