肺野末梢側に限局する陰影を呈したオウム病の1例
柄山 正人1) 乾 直輝1)2) 安井 秀樹1) 山崎 佐和1) 村松 江里子1) 右籐 智啓1) 森田 悟1) 朝田 和博1) 土屋 智義1) 中野 豊1) 須田 隆文2) 千田 金吾2)
〒433-8558 静岡県浜松市三方原町3453 1)聖隷三方原病院呼吸器内科 〒431-3192 静岡県浜松市半田山1-20-1 2)浜松医科大学第2内科
症例は29歳,男性.発熱と食欲不振を主訴に受診.血液検査でCRPの著明な上昇と肝酵素の軽度上昇を認めた.胸部X線で右下肺野外側に境界明瞭で濃厚な浸潤影を認め,胸部CTでは陰影は右下葉の末梢に限局していた.インコとの接触歴および血清Chlamydia psittaci抗体価の有意な上昇を認めたことより,オウム病と診断した.オウム病の画像所見の検討では,肺野の中枢側から扇状に広がるすりガラス影を呈する症例の報告が比較的多い.本症例のように中枢側の非病変部との境界が明瞭で,肺野の末梢側に限局した陰影を呈することは少なく,非典型的な画像所見と思われ報告した.
Received 平成17年9月26日
日呼吸会誌, 44(9): 670-673, 2006