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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

原著

びまん性肺疾患に対する外科的肺生検の検討―合併症,診断効率と早期死亡について―

阪本 考司  横山 俊樹  麻生 裕紀  岩木 舞  野間 聖  加藤 景介  西山 理  木村 智樹  近藤 康博  谷口 博之 

〒489-8642 愛知県瀬戸市西追分町160 公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科

要旨

びまん性肺疾患患者に施行した外科的肺生検110例を対象に手術術式,患者背景,周術期管理,手術合併症,転帰を調査し安全性と診断効率を検討した.開胸肺生検(OLB)は41例,胸腔鏡下肺生検(VTLB)は69例,術前の年齢・性別,肺機能,動脈血酸素分圧,術前の治療に関して2群に有意差を認めなかった.摘出標本数は平均2.5個.術野は左70例であった.手術時間は2群間に有意差を認めなかった.術中出血量は平均16.5 mLと少量だった.術後胸腔ドレーンの期間,経口摂取再開までの期間,術後入院期間はVTLB群の方が短かった.術後合併症は全体の10.9%に認めたが2群に有意差を認めなかった.30日以内の術後早期死亡率は6.4%で大半が急速進行性の予後不良な組織型だった.診断率は98.2%と良好であった.びまん性肺疾患に対する外科的肺生検は,安全で診断効率の良い検査であるといえた.

キーワード

びまん性肺疾患  外科的肺生検  合併症 

Received 平成17年12月1日

日呼吸会誌, 44(10): 675-680, 2006

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