急速に呼吸不全が進行した原発性シェーグレン症候群に伴った間質性肺炎の1例
成瀬 代士久1) 乾 直輝1) 安井 秀樹1) 柄山 正人1) 山嵜 佐和1) 村松 江里子1) 右籐 智啓1) 森田 悟1) 土屋 智義1) 中野 豊1) 榎本 紀之2) 妹川 史朗2) 須田 隆文2) 千田 金吾2)
〒433-8558 静岡県浜松市三方原町3453 1)聖隷三方原病院呼吸器内科 2)浜松医科大学第2内科
症例は72歳女性.乾性咳嗽と労作時呼吸困難を主訴に受診.胸部単純X線で両下肺野の網状影と肺野の縮小を認めた.血液検査でKL-6,γグロブリンの上昇を認め,抗核抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体が陽性.口唇生検などより原発性シェーグレン症候群と診断した.肺病変については胸腔鏡下肺生検を施行し,シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎と診断した.生検後,呼吸不全の急激な悪化を認め,ステロイドと免疫抑制剤による治療を実施したが奏効せず永眠した.シェーグレン症候群に伴った間質性肺炎で急性増悪をきたすものは稀であり報告した.
Received 平成17年11月7日
日呼吸会誌, 44(10): 721-726, 2006