High frequency oscillatory ventilation(HFOV)が有効であったARDSの1例
加藤 勝洋 長谷川 隆一* 勝田 知也** 谷口 博之 近藤 康博 木村 智樹 西山 理 加藤 景介 野間 聖 岩木 舞 阪本 考司 麻生 裕紀 横山 俊樹
〒489-8642 愛知県瀬戸市西追分町160 公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科 *公立陶生病院救急部 〒708-0841 岡山県津山市川崎1756 **津山中央病院呼吸器内科
症例は69歳男性.急性前立腺炎にて入院後,血痰及び両側上肺野に浸潤影が出現した.呼吸器内科転科時,PaO2 57.3Torr,BALではNeu 15.6%,Ly 33.6%,Eo 26.6%,Mφ 23.6%で定量培養陰性.急速に呼吸状態が悪化しARDSとなったため,非侵襲的・侵襲的人工呼吸管理,ステロイドパルス療法・好中球エラスターゼ阻害剤投与を行ったが改善せず,第8病日よりHFOVを開始した.HFOV管理後急速に酸素化の改善がみられ,第17病日には人工呼吸管理から離脱でき救命し得た.ARDSに対しHFOVが有効であった貴重な症例であると考え報告する.
Received 平成17年11月28日
日呼吸会誌, 44(10): 732-737, 2006