ノカルジア感染が発見契機となり,早期の画像所見を観察しえた肺胞蛋白症
杉本 親寿1) 小林 英夫1) 叶 宗一郎1) 元吉 和夫1) 相田 真介2)
〒359-8513 埼玉県所沢市並木3-2 1)防衛医大第3内科 2)同 検査部
ノカルジア症治療中の女性に,胸部CTでのみ認識できる淡い限局性スリガラス陰影が右上肺野に認められ,徐々に増強してきた.気管支肺胞洗浄を実施したところ,米のとぎ汁様外観,PAS陽性物質,サーファクタント増加,抗GM-CSF抗体が確認され肺胞蛋白症と判明した.限局性陰影を示す早期の肺胞蛋白症においても,詳細にCT所見を観察すればcrazy-pavingや小葉性分布などの所見を呈することを確認した.早期のために見逃されている肺胞蛋白症の存在が予想され注意を要する.
肺胞蛋白症 CT所見 crazy-paving所見 ノカルジア症
Received 平成17年11月30日
日呼吸会誌, 44(10): 738-741, 2006