末梢神経障害が残存した完全型Heerfordt症候群の1例
石渡 俊次1) 小山 良1) 本間 紀之1) 藤井 充弘2) 岩神 直子2) 中尾 裕太2) 岩神 真一郎2) 高橋 和久1)
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1 1)順天堂大学医学部呼吸器内科 〒410-2295 静岡県伊豆の国市長岡1129 2)順天堂大学医学部附属静岡病院呼吸器内科
症例は28歳男性.飛蚊症を主訴に来院しブドウ膜炎と診断された.その後,顔面神経麻痺,耳下腺腫脹が出現.精査の結果,完全型Heerfordt症候群と診断した.診断確定後ステロイド治療を開始し,顔面神経麻痺,耳下腺腫脹,ブドウ膜炎は改善したが,ステロイド治療を継続している現在も,三叉神経障害と考えられる口腔内のしびれ感が残存している.Heerfordt症候群は多くの症例でステロイド治療に対する反応は良好だが,それだけでは知覚障害などの神経症状が残存することもあり,近年報告があるsmall fiber neuropathyも考慮する必要があると考えられた.
Received 平成17年12月12日
日呼吸会誌, 44(10): 749-753, 2006