柴苓湯による薬剤性肺炎の1例
伊東 友好 藤本 寛樹 梅川 加奈子 蓮舎 香陽子 南 謙一 少路 誠一
〒579-8026 大阪府東大阪市弥生町18-28 石切生喜病院呼吸器センター
症例は77歳,男性.耳鳴のため耳鼻科で柴苓湯の内服を開始,発熱・呼吸困難が出現したため当科に緊急入院となった.血液検査ではCRPの上昇と肝機能障害があり,胸部X線/CT写真はびまん性すりガラス様陰影を認めた.気管支肺胞洗浄ではリンパ球の増加を認め,リンパ球刺激試験陽性から柴苓湯による薬剤性肺炎と診断した.薬剤の中止とステロイド投与にて臨床症状・レントゲン所見とも改善していった.
Received 平成18年1月23日
日呼吸会誌, 44(11): 833-837, 2006