総合感冒薬「セラピナ顆粒®」による薬剤性肺炎を合併したリウマチ肺の1例
中山 聖子1)3) 迎 寛1) 石松 祐二2) 杉山 奏子1) 井手 美桜子1) 石本 裕士1) 久冨 恵子1) 石井 寛1) 阿部 航3) 大園 惠幸3) 河野 茂1)
〒852-8501 長崎市坂本1丁目7-1 1)長崎大学医学部第二内科 2)長崎市立市民病院内科 3)長崎大学医学部・歯学部附属病院総合診療科
症例は68歳,女性.関節リウマチ,リウマチ肺,糖尿病などの治療中であった.近医で感冒様症状に対しセラピナ顆粒®(PL顆粒®の後発医薬品)とlevofloxacinを処方されたが,内服開始6日目より高熱,咳嗽,呼吸困難,嘔吐,下痢が出現した.著明な低酸素血症,および両側肺野に新たなスリガラス状陰影の出現を認めたため,すべての内服薬を中止した後,入院にてステロイドパルス療法が施行された.間質性陰影は入院後もしばらく悪化傾向を示したが,内服中止4日目以降から改善し,プレドニゾロンの漸減療法により再燃はみられなかった.末梢血リンパ球刺激試験の結果ではセラピナ顆粒®のみが陽性であり,同薬物による薬剤性肺炎と診断した.
薬剤性肺炎 セラピナ顆粒® 総合感冒薬 リウマチ肺 薬剤リンパ球刺激試験
Received 平成18年2月23日
日呼吸会誌, 44(11): 858-863, 2006