巨大腫瘤影を呈した肺結核・縦隔リンパ節結核の1例
〒880-0911 宮崎県宮崎市大字田吉4374-1 独立行政法人国立病院機構宮崎東病院呼吸器科
症例は63歳,女性.骨髄異形成症候群でステロイドを含む治療を受けたが,完全寛解に至らなかった.抗生剤が無効の発熱があり,右縦隔から肺門にかけて巨大な腫瘤影を認めた.気管支洗浄液およびその後の喀痰より結核菌を検出したため,肺結核(bIII2, H)と診断し,isoniazid,rifampicin,streptomycin,pyrazinamideの4剤による治療を開始した.治療により腫瘤影は著明に縮小し,喀痰結核菌培養は陰性化した.免疫不全により結核が非定型的な進展をきたしたため,巨大腫瘤影を呈したと考えられた.
Received 平成18年2月10日
日呼吸会誌, 44(11): 892-895, 2006