日本呼吸器学会誌：薄壁空洞を呈した原発性肺癌の検討―薄壁空洞形成機序についての考案―

Vol.45 No.6 目次

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原著

薄壁空洞を呈した原発性肺癌の検討―薄壁空洞形成機序についての考案―

杉本　幸弘^1）千場　博^1）藤井　慎嗣^1）古川　絵梨^1）蔵野　良一^2）

〒860-0811　熊本県熊本市本荘5丁目16-10 ^1）熊本地域医療センター呼吸器科 ^2）同　病理部

要旨

原発性肺癌のうち薄壁空洞を形成するものは比較的まれである．1995～2006年の12年間に薄壁空洞を呈した原発性肺癌を8例経験した．年齢は45～84歳（平均72歳）で，男性が7例，女性が1例であった．発見動機は結核として治療中1例，小腸イレウス1例，緊張性気胸1例，自覚症状なく胸部異常影を指摘されたのが5例であった．組織型は腺癌5例，扁平上皮癌2例，腺扁平上皮癌1例であった．薄壁空洞を形成する機序として様々な仮説が報告がされているが，我々の症例の臨床経過の検討からcheck valve機構が生じることが空洞の薄壁化の主因となることが推測された．

キーワード

原発性肺癌薄壁空洞チェックバルブ機構

Received 平成18年9月7日

日呼吸会誌, 45(6): 460-464, 2007

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