中葉舌区症候群,肺全摘後症候群の慢性無気肺症例におけるnasal Continuous Positive Airway Pressure療法の試み
〒607-8062 京都市山科区名神京都東インター横 洛和会音羽病院
慢性無気肺に対してnasal Continuous Positive Airway Pressure(以下nasal CPAP)を試み,無気肺の改善をみた2症例を経験した.症例1は中葉舌区症候群に伴う慢性無気肺で内科的治療に抵抗性であったが,nasal CPAPの使用によって無気肺の改善が得られた.症例2は肺全摘後症候群による慢性無気肺に気道感染を合併し呼吸不全となったため挿管人工呼吸管理となったが,PEEPを併用しながら無気肺領域へ送気を行ったところ無気肺が改善し,抜管後nasal CPAPにて管理を続けたところ含気の維持が可能であった.Nasal CPAPは睡眠時無呼吸症候群のみならず,心原性肺水腫や術後無気肺に対しても有効性が報告されているが,慢性無気肺にも有効性が期待できると考え報告する.
nasal CPAP 慢性無気肺 中葉舌区症候群 肺全摘後症候群
Received 平成18年12月4日
日呼吸会誌, 45(6): 503-507, 2007