高齢者非小細胞肺癌に対するカルボプラチンとドセタキセルとの併用療法
寺嶋 毅1) 松崎 達1) 小川 里佳1) 内藤 明日香1) 森下 鉄夫1) 石坂 彰敏2)
〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13 1)東京歯科大学市川総合病院内科 2)慶應義塾大学医学部内科
70歳以上のNSCLC症例のうち,初回化学療法としてCBDCA AUC 5とDOC 70 mg/m2との併用療法が施行された27症例について効果,認容性,毒性についてレトロスペクティブに検討した.年齢中央値は74歳(70~83歳),PSは0/1/2が12/11/4例,組織型では腺癌18例,扁平上皮癌9例,病期はIIIA/IIIB/IV期が5/11/11例であった.投与回数の中央値は4コース,MSTは11.1カ月,1年生存率は40.7%,奏効率は33.3%であった.グレード3以上の好中球減少が81.5%,グレード3の食欲不振が48.1%,発熱性好中球減少が33.3%認められたが,治療関連死は認められず毒性はいずれも認容可能であった.高齢者においてCBDCA+DOC療法はMSTや奏効率がこれまでの大規模な臨床試験の報告と比較して劣るものではなく,毒性も認容可能であった.今後は,プラチナ製剤を含まない単剤,あるいは多剤併用療法と比較して奏効率,生存期間の延長,QOLの改善について前向きに検討する必要性があると考えられた.
Received 平成19年11月7日
日呼吸会誌, 46(7): 516-521, 2008