東京の一般病院におけるアスベスト外来受診者の臨床統計
金子 和代 榎本 達治 四方田 真紀子 河野 あゆみ 楢戸 律子 斎藤 均 中村 清一
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-34-10 東京都立広尾病院呼吸器科
2005年11月から2006年10月までの一年間に当院アスベスト外来を受診した122人を対象とし,職業曝露群,非職業曝露群,曝露不明群の3群に分けて比較検討した.その結果,アスベスト関連の異常所見は,職業曝露群において33%に認められた.一方,非職業曝露群と曝露不明群においては,両者合わせて5%であった.また,アスベスト関連の異常所見で最も多かったのは,胸膜肥厚斑であった.さらに,胸膜肥厚斑を認めた人のうち,健康管理手帳を取得した人は少なかった.取得できなかった人の理由の多くは,事業主であるためであった.健康管理手帳の交付対象とならない有所見者に対する定期的な健康管理も必要であると考えた.
Received 平成19年11月13日
日呼吸会誌, 46(7): 522-525, 2008