急性発症した抗PL-12抗体陽性の間質性肺炎の1例
〒292-8535 千葉県木更津市桜井1010 国保直営総合病院君津中央病院呼吸器科
症例は51歳,男性.Raynaud現象,微熱が出現したため近医で抗菌薬等による治療をされた.しかし約1カ月後に高熱,呼吸困難が出現して急性呼吸不全の状態で当院に救急搬送された.著明な低酸素血症を呈していたため人工呼吸器管理を要した.急性間質性肺炎と判断してメチルプレドニゾロンパルスおよびシクロホスファミド療法を行い奏効して救命し得た.のちに抗ARS抗体を測定したところ,抗PL-12抗体が陽性であったため抗ARS抗体症候群の診断に至った.本症例では経過中明らかな筋炎の発症は認めていない.現在,間質性肺炎の再発なく外来観察中である.
Received 平成19年10月26日
日呼吸会誌, 46(7): 547-551, 2008