サルコイドーシス患者にLarge cell neuroendocrine carcinomaを合併した1例
柳谷 典子 解良 恭一 石塚 全 青木 悠 川田 忠嘉 宇津木 光克 清水 泰生 砂長 則明 久田 剛志 森 昌朋
〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-15 群馬大学大学院病態制御内科呼吸器アレルギー内科(1)
症例は60歳喫煙者女性で,血痰と背部痛を主訴に来院.胸部CTにて左S1+2に腫瘤影と,肺門縦隔リンパ節の腫脹を認めた.経気管支肺生検(TBLB)にて,小細胞肺癌と診断された.当初我々は,臨床病期をc-T4N2M0 IIIB期と診断した.しかし,7年前にも肺門縦隔リンパ節の腫脹を指摘されていたことが判明した.FDG-PETでは肺門縦隔リンパ節陽性であったが,最終的には,手術にて病理病期p-T4N0M0 IIIBと診断した.放射線同時併用化学療法を3コース行い,治療効果はPRであった.サルコイドーシス患者における悪性疾患の合併については結論がでていないが,主要な疾患として肺癌と悪性リンパ腫がある.LCNECに関しては,我々が調べた限り報告されていない.我々臨床医は,悪性疾患の発生についても念頭におきながら,サルコイドーシス患者を注意深く経過観察していく必要がある.
Received 平成19年12月14日
日呼吸会誌, 46(7): 574-577, 2008