Q熱肺炎の臨床的検討
〒260-0852 千葉市中央区青葉町1273-2 千葉市立青葉病院内科・呼吸器科
【対象と方法】2004年7月から2007年6月までの3年間に当院で治療したQ熱肺炎の臨床像を検討した.【結果】男性5例,女性1例の計6例で,年齢は36~81歳,5名は基礎疾患を有していた.初発症状は発熱,咳嗽,喀痰,胸痛など非特異的な症状であった.血液検査では炎症反応は軽度であり,肝機能障害は2例に認められた.画像所見は浸潤影や小結節影を呈することが多く,1例で胸水貯留が認められた.抗体価はII相菌IgG抗体価の上昇が全例に認められたが,IgM抗体価の上昇は1例も認められなかった.全例,抗菌薬治療で治癒したが,うち3例はβ-ラクタム薬のみで治療されていた.【結論】Q熱肺炎の臨床症状,検査所見,画像所見は非特異的であり,動物との接触歴が明らかでない場合,本症の推測は困難であった.言い換えると,多くのQ熱肺炎は起因菌不明の肺炎として見過ごされていた可能性があると考えられた.
Received 平成20年2月6日
日呼吸会誌, 46(12): 967-971, 2008