喘息におけるロイコトリエン受容体拮抗薬の有効性とその背景の検討―アンケート調査の結果―
福居 嘉信1)2) 檜澤 伸之1)3) 高橋 大輔1) 前田 由起子1) 小林 基子1) 南須原 康行1) 西村 正治1)
1)北海道大学第一内科 〒070-8610 旭川市金星町1丁目1番65号 2)市立旭川病院呼吸器内科 3)筑波大学臨床医学系呼吸器内科
喘息におけるロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の有効性とその寄与因子を検討した.喘息患者1,600人について,LTRAを使用したか,投与継続中か中止したか,その理由は何かを,各担当医が回答した.その結果,797人にLTRAの使用経験があり,プランルカスト(P)468人,モンテルカスト(M)294人,ザフィルルカスト25人,不明または複数種10人であった.P群は,より若年で(中央値,P:55歳,M:57歳),軽症間欠型が多かった(P:20.3%,M:11.2%).「明らかに有効であったため継続中」はP群が多く(P:34.6%,M:17.3%),「効果がなかったため中止」はM群が多かった(P:2.6%,M:19.0%).ロジスティック回帰の結果,使用薬剤がPである(P<0.01),アレルギー性鼻炎を合併していない(P<0.01),軽症である(P=0.02)が,それぞれ独立に有効性に寄与した(R2=0.19).今回の調査から,軽症でアレルギー性鼻炎を合併していない患者でLTRAの有効性が高いと考えられた.薬剤間の有効性の差異については,今後更なる検証が必要である.
喘息 ロイコトリエン受容体拮抗薬 プランルカスト モンテルカスト
Received 平成20年4月3日
日呼吸会誌, 46(12): 972-980, 2008