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書誌情報

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原著

日米のガイドラインに基づく市中肺炎の重症度の検討

田代　将人1）  福島　喜代康1）  原　敦子1）  江原　尚美1）  掛屋　弘2）  斎藤　厚1）  河野　茂2） 

〒859-0497　長崎県諫早市多良見町化屋986-2 1）日本赤十字社長崎原爆諫早病院 2）長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座

要旨

急性肺炎の診断で入院し抗菌薬治療を行った293例をレトロスペクティブに検討した．日本呼吸器学会の市中肺炎診療ガイドライン（2005）に基づく重症度分類（A-DROP）での症例/死亡例は，軽症74例（25％）/0例，中等症140例（48％）/4例（3％），重症53例（18％）/8例（15％），超重症26例（9％）/8例（31％）であり，重症度が上がるに従い死亡率が増加する傾向を認めた．米国感染症学会と米国胸部学会の合同ガイドライン（2007）での重症度分類（PSI）では，I：36例（12％），II：44例（15％），III：61例（21％），IV：92例（31％），V：60例（20％）であり，各々の死亡例はI～III：0例，IV：5例（25％），V：15例（75％）と重症群での死亡が多かった．14日以内の早期死亡群では入院時の末梢血白血球数やCRPは生存群より有意に高値を示した．さらに，入院時のAlb/BUNはPSIと強い負の相関（r=－0.62）があり，予後の新しい指標として提唱したい．

キーワード

市中肺炎  ガイドライン  重症度  予後因子  アルブミン 

Received 平成20年5月7日

日呼吸会誌, 46(12): 981-986, 2008

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