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書誌情報

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症例

肺Mycobacterium heckeshornense感染症が疑われた1例

久本　晃子1）  小崎　佐恵子1）  佐久川　亮2）  古元　玲子1）  玉置　明彦1）  三宅　俊嗣1）  西井　研治1） 

〒700-0952　岡山県岡山市平田408-1 1）岡山県健康づくり財団附属病院内科 2）岡山赤十字病院呼吸器内科

要旨

症例は68歳男性．以前より肺気腫を指摘されていた．咳嗽，膿性痰，血痰を主訴に近医を受診し，胸部X線写真で右上肺野に浸潤影を指摘された．喀痰検査で抗酸菌を認めたため，当院へ紹介入院となった．確定診断は得られなかったが肺結核症が疑われたため，isoniazid（INH），rifampicin（RFP），ethambutol（EB），pyradinamide（PZA）による多剤併用化学療法を行った．自覚症状・画像所見は改善し，喀痰抗酸菌塗抹検査も陰性化した．喀痰抗酸菌培養陽性でDNA-DNA hybridization（DDH）法にてMycobacterium xenopi（M. xenopi）と同定されたが，その後遺伝子学的検索によりMycobacterium heckeshornense（M. heckeshornense）であることが判明した．免疫能正常の患者に発症し，治療経過を追うことができた貴重な症例であると考え報告する．

キーワード

Mycobacterium heckeshornense  Mycobacterium xenopi  DNA-DNA hybridization法  16SrDNAシークエンス法 

Received 平成20年5月7日

日呼吸会誌, 46(12): 1019-1023, 2008

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