標高3,850 mでポリグラフ測定を行った閉塞型睡眠時無呼吸症候群の1例
近藤 哲理1) 石井 博司1) 田崎 厳1) 戸田 真夏2)
〒192-0032 東京都八王子市石川町1838 1)東海大学八王子病院呼吸器内科 2)東海大学文学部
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者が旅行や仕事で高地滞在する機会が増えているが,高地でのOSASの病態は不明な点が多い.症例は44歳男性,平成16年ポリソムノグラフでOSASと診断されCPAP治療中である.今回は調査旅行でネパール滞在時にKyanjing Gompa(3,850 m)等で睡眠時ポリグラフ測定を行った.無呼吸低呼吸指数(AHI)は41.8/hrと52.2/hrであり,SpO2が85%未満となったのは全睡眠時間の51.4%と83.2%であったが,帰国後低地での測定ではAHIは10.5/hrと9.5/hrであった.高地では低酸素と間欠呼吸の出現によって睡眠時無呼吸は著明に悪化することが示された.
Received 平成20年5月16日
日呼吸会誌, 46(12): 1034-1038, 2008