一般社団法人日本呼吸器学会　公式サイト
ScholarOne Manuscripts
日本呼吸器学会英文誌　Respiratory Investigation
日本呼吸器学会誌　増刊号　学術講演会プログラム　抄録集　検索用
日本呼吸器学会誌　増刊号　学術講演会プログラム　抄録集　全文PDF

書誌情報

全文PDF 全文PDF（916k）

症例

急性呼吸不全を呈した原発性肺クリプトコッカス症の1例

松井　芳憲1）  赤川　志のぶ1）  蛇澤　晶2）  鈴木　純一1）  島田　昌裕1）  川島　正裕1）  鈴木　純子1）  益田　公彦1）  松井　弘捻1）  田村　厚久1）  永井　英明1）  長山　直弘1）  豊田　恵美子1）  町田　和子1）  倉島　篤行3）  四元　秀毅1） 

〒204-8585　東京都清瀬市竹丘3-1-1 1）独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科 2）同　病理 3）財団法人結核予防会複十字病院臨床研究アドバイザー

要旨

症例は71歳女性．生来健康であったが，咳嗽，発熱で発症し，数日のうちに呼吸不全に陥った．胸部X線写真で，両側中下肺野中心にair bronchogramを伴う多発性の浸潤影が認められた．ステロイドパルス療法にて一時改善が認められた．基礎疾患がなく，経気管支肺生検で組織球の集簇を伴う滲出性病変と組織球細胞質内に多数の酵母様真菌を認め，血清クリプトコッカス抗原陽性より，原発性肺クリプトコッカス症と診断した．fluconazole点滴静注にもかかわらず病変が拡大したため，amphotericin B及びprednisoloneの併用に変更したところ臨床所見の改善を認め，治癒に至った．広範に滲出性病変が認められる急速進行性の肺クリプトコッカス症では，抗真菌薬のみでは無効な場合，ステロイド剤の併用を考慮すべきである．

キーワード

原発性肺クリプトコッカス症  びまん性浸潤影  急性呼吸不全  ステロイド治療 

Received 平成20年5月19日

日呼吸会誌, 46(12): 1039-1044, 2008

Google Scholar著者名・キーワードは「Google Scholar™ 学術文献検索」の検索結果へリンクしています．
先頭へ戻る