日本呼吸器学会誌：8年間の経過でair trappingの進行を認めたHTLV-1関連気道病変の1例

Vol.46 No.12 目次

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症例

8年間の経過でair trappingの進行を認めたHTLV-1関連気道病変の1例

三木田　馨^1）小林　英夫^1）叶　宗一郎^1）尾関　雄一^2）元吉　和夫^1）

〒359-8513　埼玉県所沢市並木3-2 ^1）防衛医科大学校呼吸器内科 ^2）同　呼吸器外科

要旨

両親が沖縄出身の65歳女性が湿性咳嗽を自覚し，胸部X線写真で両側びまん性粒状影を指摘された．Human T-cell lymphotropic virus type-1（HTLV-1）キャリアと判明し，胸腔鏡下肺生検により細気管支に著明なリンパ球浸潤と狭窄を認めたため，HTLV-1関連気道病変（HABA）と診断した．エリスロマイシン投与により自覚症状と低酸素血症，小粒状影の改善を認めた．しかし8年間にCTで肺野のmosaic perfusionが徐々に顕在化し，呼吸機能検査でthoracic gas volumeの増加，換気シンチグラムでクリアランス低下を認めair trappingが進行していた．中枢気道病変の改善と並行して細気管支狭窄は進行しており，HABAに対しては呼気CT，体プレスチモグラフ法，換気血流シンチを組み合わせた経過追跡が推奨される．

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Received 平成20年6月2日

日呼吸会誌, 46(12): 1055-1058, 2008

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