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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
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書誌情報

原著

気管支喘息におけるIL-33の意義

間藤 尚子1)  坂東 政司1)  山沢 英明1)  細野 達也1)  水品 佳子1)  佐多 将史1)  大木 岳2)  杉山 幸比古1) 

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1 1)自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門 〒307-0001 茨城県結城市大字結城9629-1 2)結城病院

要旨

Interleukin-33(IL-33)は2005年に発見されたサイトカインであり,IL-4,IL-5,IgE,好酸球の増加作用を示し,肺では粘液産生の亢進,好酸球浸潤をもたらすと報告されている.我々はIL-33投与による変化と気管支喘息の病理像との類似性に着目し,IL-33が気管支喘息の病態に関与する可能性を検討した.気管支喘息患者20名,対照として慢性閉塞性肺疾患患者5名,健常人8名より血清を採取しIL-33濃度を測定した.さらに気管支喘息患者を血清IgE濃度,重症度,治療と長期喫煙の有無で分類し比較した.その結果,IL-33はIgE高値群,未治療群,中等症以上で有意に上昇していたが,長期喫煙群と慢性閉塞性肺疾患患者では低値であった.我々は,呼吸器疾患において初めて血清IL-33濃度を測定し,IL-33は特にアトピー型気管支喘息の病勢に関与し,長期の喫煙による肺の構造変化はIL-33産生に影響すると推測された.

キーワード

気管支喘息  インターロイキン-33  IgE  アトピー型気管支喘息 

Received 平成21年10月8日

日呼吸会誌, 48(6): 419-425, 2010

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