カルボプラチン,パクリタキセル,ベバシズマブ併用療法が奏効した肉腫様肺癌と考えられた1例
菅野 哲平* 森 雅秀 灘波 良信 上浪 健 各務 慎一 横田 総一郎
〒560-8552 大阪府豊中市刀根山5-1-1 独立行政法人国立病院機構刀根山病院呼吸器腫瘍内科 *現 独立行政法人国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科
症例は,63歳の喫煙男性.左側胸部痛を訴え,胸部CT上で左肺S6に5 cm大の腫瘤,左胸水を指摘された.CTガイド下生検で,紡錘形の異形細胞が肉腫様に増殖しており,肉腫様肺癌と考えられた.遠隔転移は認めずcT3N2M1a,stage IVと診断した.カルボプラチン,パクリタキセル,ベバシズマブによる3剤併用化学療法を5コース行い,著明に奏効した.肉腫様肺癌は化学療法に抵抗性とされており,この三剤併用療法が有用である可能性が示唆された.
Received 平成22年9月17日
日呼吸会誌, 49(4): 304-308, 2011