両肺に多発するすりガラス陰影と結節影を呈した肺原発MALTリンパ腫の1例
中原 善朗1) 岡村 樹1) 大熊 裕介1) 高木 雄亮1) 宮本 信吾1) 下川 恒生1) 細見 幸生1) 井口 万里1) 比島 恒和2) 澁谷 昌彦1)
〒113-0021 東京都文京区本駒込3丁目18番22号 1)がん・感染症センター都立駒込病院呼吸器内科 2)同 病理科
症例は77歳女性.2000年の健診で胸部異常陰影を指摘され,当院紹介受診.胸部CTで両側肺内に多発するすりガラス陰影と結節影を認めた.気管支鏡検査を施行したが,TBLBでは診断に至らなかった.以後,外来で経過観察されていたが,2005年11月の胸部CTで陰影の増大と濃度上昇を認めたため,2006年1月,確定診断のため胸腔鏡下肺生検を施行され,MALTリンパ腫と診断された.現在,無治療経過観察中である.両側に多発するすりガラス陰影と結節影を呈する肺原発MALTリンパ腫は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
肺MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫 胸部CT 多発 すりガラス陰影 結節影
Received 平成22年8月30日
日呼吸会誌, 49(4): 321-326, 2011