くも膜下出血と左横隔神経麻痺を合併したChurg-Strauss症候群の1例
清水 郷子 大庭 ひろみ 島田 裕之 井上 幸久 神 靖人 吉村 信行
〒254-8502 神奈川県平塚市追分9-11 平塚共済病院呼吸器内科
症例は60歳女性.2000年に末梢血好酸球増加,好酸球性肺炎,気管支喘息,多関節痛,四肢の痺れを認め,Churg-Strauss症候群(CSS)と診断された.プレドニゾロン(Prednisolone;PSL)の内服を開始し症状は改善するも,減量に伴い再燃を繰り返していた.2009年9月,PSL 5 mg/日まで減量した7日後にくも膜下出血を発症し入院となった.MRA,血管造影で動脈瘤はなく,出血源は特定できなかったが,経過は良好であった.また入院第27病日に胸部X線写真上,左横隔膜挙上を認め,横隔神経刺激試験により左横隔神経麻痺と診断した.入院中徐々に末梢好酸球数増加が進行し,CSSにくも膜下出血,横隔神経麻痺を合併することは稀だが,これらはCSSに関連する血管炎症状と考えた.
Churg-Strauss症候群 くも膜下出血 横隔神経麻痺 末梢血好酸球増多
Received 平成22年8月30日
日呼吸会誌, 49(9): 642-646, 2011