Good症候群に合併した赤芽球癆の1例
〒963-8558 福島県郡山市西ノ内2-5-20 太田西ノ内病院呼吸器センター内科
78歳女性,2年前胸腺腫の診断受けるも,慢性心不全のため手術不能で,やむをえず放射線治療を施行.1年前より肺炎,中耳炎を繰返した.1週間前から発熱・咳嗽・喀痰が出現し当院受診.胸部X線上両側下肺野に浸潤陰影と血液検査上,低γグロブリン血症と骨髄検査上赤芽球系細胞の著明な減少を認めた.胸腺腫に低γグロブリン血症を合併するGood症候群と赤芽球癆の合併と診断した.免疫グロブリン補充療法と抗菌薬投与により感染所見は改善した.その後,シクロスポリンAを試みるも,肝機能障害を来したため中止され,現在輸血だけで治療し経過観察中である.これらの合併は非常に稀であり報告した.
Received 平成22年11月9日
日呼吸会誌, 49(9): 647-650, 2011