肺良性転移性平滑筋腫(Pulmonary Benign Metastasizing Leiomyoma)の1例
原 丈介1) 西 耕一1) 常塚 宣男2) 車谷 宏3) 片柳 和義3) 藤村 政樹4)
〒920-8530 石川県金沢市鞍月東2-1 1)石川県立中央病院呼吸器内科 2)石川県立中央病院呼吸器外科 3)石川県立中央病院病理科 4)金沢大学大学院細胞移植学呼吸器内科
肺良性転移性平滑筋腫(pulmonary benign metastasizing leiomyoma)を経験したので報告する.症例は48歳女性.胸部単純X線写真にて両肺野の多発性結節影を指摘され.当院に紹介入院となった.41歳時に子宮筋腫による子宮全摘術,左卵巣摘出術の既往がある.胸腔鏡下肺生検を施行し,平滑筋腫と診断した.子宮平滑筋腫の病理標本と比較し,類似の所見であった.肺平滑筋腫はエストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプターともに陽性であった.病理所見,免疫組織化学染色の結果からBMLと診断した.無治療にて経過観察中であるが,診断後6年経過した現在,胸部画像所見の進行を全く認めていない.
Received 平成23年1月7日
日呼吸会誌, 49(9): 658-662, 2011