reversed halo signを呈した器質化肺炎を伴う原発性シェーグレン症候群の1例
穴井 諭1) 熊副 洋幸2) 若松 謙太郎1) 永田 忍彦3) 中西 洋一4) 加治木 章1)
1)国立病院機構大牟田病院呼吸器内科 2)国立病院機構大牟田病院放射線科 3)福岡大学筑紫病院呼吸器内科 〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1 4)九州大学胸部疾患研究施設
症例は41歳女性.1カ月持続する労作時呼吸困難と乾性咳嗽を主訴に当院を紹介受診した.胸部レントゲン写真上末梢斑状影を認め,高分解能CTにおいても斑状影を認めその一部はreversed halo signを呈していた.気管支肺胞洗浄にて細胞数の増加(35×104/ml),リンパ球比率の増加(69%),CD4/CD8比の低下(0.45)を認めた.経気管支肺生検でポリープ型腔内線維化を認め,器質化肺炎と考えられた.入院後口腔内乾燥を認め,抗SS-A/Ro抗体の上昇(65.0 U/ml),口唇腺病理組織検査で導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤を認めた.関節リウマチやその他の膠原病の合併を認めず,原発性シェーグレン症候群及びreversed halo signを呈した2次性の器質化肺炎と診断した.プレドニゾロン0.5 mg/kg/日(35 mg/日)を開始後,速やかに末梢斑状影は改善した.
Reversed halo sign 器質化肺炎 原発性シェーグレン症候群
Received 平成23年1月7日
日呼吸会誌, 49(9): 707-712, 2011