日本呼吸器学会誌：ダプトマイシンの関与が疑われた急性好酸球性肺炎の1例

Vol.2 No.3 目次

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症例

ダプトマイシンの関与が疑われた急性好酸球性肺炎の1例

香川　直美玉垣　学也杉山由香里井尻　尚樹鴨井　　博平田　一人

大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学

要旨

症例は61歳，男性．メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（methicillin-resistant Staphylococcus aureus：MRSA）感染を伴う糖尿病性足部潰瘍で，ダプトマイシン（daptomycin：DAP）による治療が開始された．14日後，発熱，咳嗽，呼吸困難が出現，画像上両肺すりガラス陰影と胸水貯留が認められた．末梢血および気管支肺胞洗浄液にて好酸球増加を認め，同剤による急性好酸球性肺炎と診断，ステロイド治療により著明に改善を認めた．本例はDAPによる好酸球性肺炎の国内初の文献報告である．ダプトマイシンは今後使用頻度が増すと予想され，好酸球性肺炎を含めた薬剤性肺障害の発症に注意するとともに，発症例の集積，検討を要する．

キーワード

ダプトマイシン薬剤性肺障害急性好酸球性肺炎薬剤リンパ球刺激試験

Received 27 Aug 2012 ／ Accepted 2 Nov 2012
連絡先：香川　直美
〒545-8585　大阪市阿倍野区旭町1-4-3
大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学

日呼吸誌, 2(3): 284-288, 2013

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