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書誌情報

特集 明日の診療に役立つ細胞分子生物学

Topics 4 次世代シークエンサーを用いた肺癌ゲノム解析と個別化治療

角南久仁子a,b 河野 隆志a 

a国立がん研究センター研究所ゲノム生物学研究分野
b同 中央病院呼吸器内科

要旨

近年,肺癌でいくつもの肺発癌ドライバー遺伝子異常が同定され,それに対する個別化治療の拡大が試みられている.新たなドライバー遺伝子異常の同定には遺伝子解析技術が進化し一度に大量の遺伝子解析が可能になったことが大きく貢献している.特に肺腺癌ではゲノム解析が進み,最近ではRET,NRTK1,NRG1融合遺伝子などが次世代シークエンサーを用いた解析により相次いで発見された.RET融合遺伝子に関しては,現在,日本全国規模での遺伝子スクリーニングを行うことによって,RET遺伝子融合陽性肺癌の個別化治療を目指した臨床研究が行われている.本稿では,肺癌個別化治療拡大を目指したゲノム解析について述べる.

キーワード

次世代シークエンサー 個別化治療 ドライバー遺伝子異常 クリニカルシークエンス 

連絡先:河野 隆志
〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1
国立がん研究センター研究所ゲノム生物学研究分野

日呼吸誌, 3(5): 636-642, 2014

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